厨ニ作品 ぐらトぐり

「実はぼくたち、本当の兄弟じゃないんだ・・・」
ぐりは沈んだ面持ちのままかぼそい声でそういった。
「え…? ど、どういう事なんだ!」
ぐらはすっくと立ち上がると、ぐりのエプロンを掴んで見せる。
「や、やめてくれ兄弟。ぼくエプロンの下は何も履いてないんだよ」
「お、おいそういう冗談は止めろ」
ぐらはぐりの言葉に動揺が隠せない様だったが、少しばかり頬を赤らめると、
手にかけたエプロンを離してやった。
「冗談じゃない。それにぼく、実は男でもないんだ・・・」
「お、男じゃないヤツがぼくなんて言葉を使うものか!」
ぐらはついつい強気な口調になってしまったが、心の中では動揺がセキを切った様に
うずまいていた。
「ぼく、本当は女の子なんだ・・・」
「!?」

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