右手からは死臭が漂い、傷だらけの左手は直視できない。
半月状の傷跡は思考を拒もうとする。
僕らの世界が最終適にたどり着いた結末は、安直で下らないハッピーエンド
少女は救われ、死にたがりの少年は死んだ。
誰もが望むハッピーエンドがバッドエンドより良いとは限らないのではないだろうか。
だが、これも仮定の話
覆水は盆に還らないように、これは意味が無い仮定の話だ。
それでも『後悔』は絶えず流れる。
「傘さしなよ。風邪引くよ?」
友人のそんな声を振り払い駆けだした
どこか遠くでカラスが鳴いた
これは始まりでもあり終わりでもある。
何が起こるかなんて神にしか判らない
失った月日は二度と戻らないのだ。
俺達の闘いはこれからだ! fin